
経理で入社するんだけど、まずどんな仕事を任されるの?



入社前に事前に準備しておくことなんかある?
新人経理として働き始めるとき、多くの方がこんな疑問や不安を抱きます。
実際、経理の仕事は幅広く、最初にどんな業務を任されるかは会社によって異なることも。



初めてなのでイメージもできないですし…
どんな仕事を任されるのかドキドキしますよね?
そこで本記事では、新人経理が入社してすぐ任される可能性のある仕事内容 を、私自身の経験をもとにわかりやすくまとめました。
- 入社直後に任される定番の仕事一覧
- 具体的な仕事内容の紹介
- 各業務に対するワンポイントアドバイス



これらを解説しますので、これから経理を目指す方や入社を控えている方はぜひ参考にしてください!
はじめに|新人経理が意識しておいてほしいこと


新人経理はまず先輩社員や上司の指導の下で業務を進めることが多いです。徐々に経験を積み、自分の役割を理解し、正確かつ効率的に業務を遂行する能力を身につけていきます。
そのため、入社直後は以下のことを意識するだけで十分です。
- 素直さと謙虚さを大切にする
- 「話す」よりも「聞く」姿勢を重視する
- 言われたことを確実にやり遂げる
- 余計なアレンジはせず、+αを狙わない
- メモを必ず取り、整理しておく
これらの心構えは新人経理にとって非常に重要です。最初はこれだけでいいので意識しておいてください!
最初から完璧を目指す必要はありません。焦らずに、まずは先輩や上司からの指示をきちんとこなすことを心がけましょう。



先輩や上司にとっては素直で謙虚な方が教えやすいんですよ…。
なので言われたことを素直にキチンとやるよう心がけましょうね!
入社してすぐに任される仕事はコチラ
1.入金処理
- 銀行のWEBページにアクセスする
- 入金データをアウトプット&会計システムにインポート
- 債権との消込を行う(自動消込 or 手動消込)
まず、中小なら確実に、大手でも高確率で任される仕事が「入金処理」。ざっくりですが、全体の手順イメージとしては上記のような感じです。
もし入金されていない債権(売掛金・未収入金)がある場合は、営業に連絡して客先にフォローしてもらわないといけません。
場合によっては経理からお客さんへ連絡することもあります。
また、入金予定額以上の金額が入金されてきた場合や、売掛金がないのに入金されてきた場合もお客さんに確認する必要があります。(返金するのか、次回の売掛金に充当するのか)



作業的にはそこまで難しくありませんが、営業との連携が大変ですね。
まずはゆっくり作業を覚えて、報連相を徹底するように!
2.仕訳の入力
大手は他のシステム(生産・購買・経費精算システム etc…)が会計システムと連動し、仕訳を会計システムへ直入力することはめったにありませんが…
中小企業でシステム化が進んでいない企業などであれば、手書きの入金・出勤・振替伝票を会計システムに直入力することがあります。
実際に私も中小企業に転職した際に、経理部長が手書き or Excelで作った各種伝票を1つずつ会計システムに手入力していました。(ちなみに大手・上場子会社時代には経験していません)
「伝票に書かれている内容をそのまま入力するだけ」ですが、1件でもミスをすると残高が合わなくなるため、意外と神経を使います。
月末や決算期は膨大な伝票が回ってくるため、昼休みを削ってでも入力に追われることも…。
新人経理にとっては「やりがいを感じにくい仕事」かもしれませんが、仕訳入力を通して会計システムの操作に慣れ、勘定科目や仕訳パターンを覚えることができる大切な基礎業務です。



私が働いていた中小ではオービックの会計システムを使っていましたが、伝票内容を一つずつ打ち込んでいました…。
まあ、勘定科目や仕訳パターンを覚えるのには良かったですね!
3.支払処理
新人経理が最初に関わることが多いのが、支払処理の前段階となる確認作業 です。
取引先から届いた請求書をもとに、期日通りに支払いが行われるように、内容に不備がないかをチェックします。
主な確認項目としては、
- 支払金額
- 支払予定日
- 振込先
もし内容の相違がある場合は、上司や先輩に報告し、伝票作成者に問い合わせしましょう。
新人のうちは承認権限を持たないため、あくまで確認と回付が中心ですが、正確性が求められる重要な仕事です。



支払いの準備作業は先輩や営業事務の方がおこない、支払いの承認は上司の方がやります。
新人の方は承認される前段階で間違いがないか確認する作業を任されることが多いですね!
4.銀行口座の管理
銀行の残高と会計システムに入力されている残高が一致しているかどうか確認する作業です。
会社によっては当座の補助元帳を紙やExcelで管理しているところもあるので、そういったものがあれば別途記入していきます。
この作業はそこまで難しくないので一人で任される事が多いのですが、そこそこ重要な仕事です。
というのも、銀行の残と会計システムの残が一致していないという事は何かしらの処理が漏れているということになります。処理漏れの原因を把握するために、各種帳票と会計システムの元帳を相互に確認したりしないといけないのでけっこう大変。
ただ、この業務を経験していくと会計システムの見方・欲しい情報の検索の仕方などマスターしていけるので、将来的に役に立つことは間違いありません。



残高が合わない場合は原因を追及して、先輩や上司に報告しましょう!
5.経費精算
ほとんどの会社でシステム化されていますが、中小企業では紙で申請を行う場合もあります。
業務の流れとしては、以下のような感じ。
- 各部署の事務員がシステムに経費を入力(または紙に記入)
- 経理に申請が回ってくる
- 新人経理は内容が正しいか一次チェック
- 問題なければ上司・先輩に回す
この経費精算は仕訳・勘定科目・税区分などを総合的に学べる作業なので、分からないことがあれば逐一先輩や上司に聞いて知識を深めていきましょう。



簿記の知識をフル活用できる仕事です!
学んだことのない方はまず簿記3級から学習していきましょうね♪
6.月次・四半期・年次決算の補助
新人経理は、月次・四半期・年次といった決算の補助を任されます。
「決算」と聞くと難しそうに思えますが、新人が最初から全部を担当することはほとんどなく、補助的な作業が中心なので安心してください。
<決算が閉まる前の作業例>
- 経費精算や支払伝票、入金伝票のチェック
- 各部署の事務員に、請求書や申請の漏れがないか確認
<決算が閉まった後の作業例>
- 会計システムからデータを抽出し、実績表を作成
- 販売管理費や営業外損益の集計補助
この業務を経験することで、決算スケジュールの流れを理解できます。
また、Excel集計や会計システム操作の実践スキルが身につくのはもちろん、売上・費用・利益などの数字のつながりが見えてくるでしょう。



最初は先輩や上司がちゃんとフォローしてくれると思います。
いきなり最初から全部自分でやれというのは、よっぽどのブラック企業ではない限りありませんので安心してください。
7.各部とのコミュニケーション
新人経理にとって一番大変に感じやすいのが「各部署とのコミュニケーション」です。
未提出の経費精算や申請について対応を依頼したり、他のシステムから連携されてきたデータで意味不明なものがあれば内容を確認するため連絡したり…。
締日間近になればなるほど連絡する頻度も増えます。
最初は上司や先輩からあれを聞けこれを聞けみたいな感じで言われるので、「知りたいなら自分で電話しろよ」と思うことがあるかもしれません。
けれども、各部とコミュニケーションを取って繋がりを作っておけば、こっちが困った時に助けてもらえることも!
「この件は○○部なら□□さんに聞けば早い」といった社内ネットワークができ、仕事のスピードも格段に上がります。



コミュ障にとっては本当に大変な仕事です…。
けれど、繋がりを作っておくと仕事がやり易くなることは間違いないので、頑張って耐えてください!
8.電話対応
経理に限らず、新人が必ず任されるのが「電話対応」です。
「自分が電話に出ても何も分からないから…」と尻込みしたくなりますが、新人である以上は避けられません。
新人であれば絶対にやらされます。諦めましょう。
最初は相手の要件を理解できないこともありますが、以下の流れを押さえておけばOK。
- 誰宛ての電話なのかを確認する
- 要件を簡単に聞き取る
- 「折り返しご連絡します」と伝える
- 必要があれば先輩や上司に確認して取り次ぐ
ここで大切なのは「必ず要件を確認してから取り次ぐこと」。要件を確認せずに上司や先輩へ丸投げすると一気に信用を失うので注意しましょう。
電話対応は一見雑務に見えますが、社内外の人と接することで 知識や人脈が増えるきっかけ になります。新人のうちに経験を積んでおくと、将来の業務に必ず役立ちますよ。



電話対応は成長のチャンス!
要件をしっかり聞き取ることで、自然と経理の知識も身につきます!



電話は避けたい気持ちも分かりますが、対応力を磨けば先輩や上司からの信頼もアップしますよ!
新人経理が入社前に準備すべきこと
簿記検定(3級 or 2級)の取得
時間があるなら簿記の知識を付けておきましょう。
理想としては簿記検定を合格できていればベストです。(最低限3級、可能なら2級)
最低限の簿記の知識があれば、理論を理解しながら実務経験を積んでいけるので、上達するスピードも速くなります!
3級も2級も真面目に頑張れば3ヶ月で合格できます。通信講座を使えばより効率的に学べるので、ぜひ検討してみてください。



経理に簿記の知識は必要ないという方もいらっしゃいますが、持っていて損になることは絶対にありません!
詳細な勉強法は以下の記事をご覧くださいね♪




通信講座の選び方
タイプ・重視ポイント | おすすめ通信講座 |
---|---|
基礎から手厚い指導を受けたい! | 資格の大原 |
コスパ重視!費用は最小限! | スタディング |
独学スタイルで学習したい! | ネットスクール |
効率よく短期合格したい! | クレアール |
紙テキストでゆるく学びたい! | ユーキャン |




Excelに慣れておく
もしExcelをまったく触ったことがないのであれば、少しでいいので慣れておきましょう。
経理の仕事は100%Excelを使います!Excelを使わない日は無いといっても過言ではありません。何かしらの作業をする時は必ずExcelを使います。
- SUM関数
- SUMIF関数
- VLOOKUP関数
余力があればIF関数やCOUNTIF関数、ROUND関数も扱えるようになればベスト!



基本的な関数を使えるようになるだけでも仕事がやり易くなるので、ぜひ覚えておいてくださいね!
おすすめの経理Excel書籍
基礎的なExcelの操作方法から、経理実務に特化した関数やデータの整理方法までを幅広くカバーしています。
経理実務でよく使う関数やショートカットを網羅。新人経理にピッタリの1冊です!
CPAラーニングの動画を視聴する
経理になるならCPAラーニングにも登録しておきましょう!
簿記検定を無料で学習できるだけでなく、経理の実務についても動画で解説してくれています!
私自身も愛用しており、仕事の合間などで実務を学んでいます。



基本的な経理の仕事を紹介する動画もありますので、新人経理の皆さんはぜひご視聴くださいね!
経理関係の書籍を読んでおく
CPAラーニングの動画である程度の事は学べますが、時間があれば経理関係の本も軽く読んでおきましょう。
経理や会計の本と聞くと専門用語がたくさんあって難しいイメージがあるかと思いますが、今は初心者でも理解できる本も発売されているので安心してください。
事前知識があればスムーズに仕事を覚えられます。また、いつにどんな会計イベントがあるのかをざっくり学ぶこともできるので、仕事の流れをイメージしやすくなると思います。



おすすめの書籍を紹介するので、ぜひ読んでみてください!
イラストとマンガでわかる! はじめての経理のおしごと
著者:下釜綾子
イラストやマンガを用いて、経理の基本や日常業務を分かりやすく解説しています。
経理になった君たちへ
著者: 白井敬祐
経理の仕事についてストーリー形式で分かりやすく解説しています。
おわりに|新人の方はゆっくりと確実に仕事を覚えていきましょう!
この記事では、新人経理が任される仕事内容についてお伝えしました。
あらためて内容を整理すると、
- 入金管理
- 仕訳の入力
- 支払処理
- 銀行口座の管理
- 経費精算
- 年次・月次決算の補助
- 各部とのコミュニケーション
- 電話対応
最初は簡単な仕事から任されるので気負う必要はありません。
各部とのコミュニケーションや電話対応など地味で大変な仕事もありますが、慣れれば余裕でこなせます。



焦らず一歩ずつ、経理の仕事を自分のものにしていきましょうね♪